企業の電気料金が変動する理由とは?2025年6月(5月使用分)の燃料費調整単価を徹底解説

今更かもしれませんが、今一度確認です。
さて、電力料金は何故毎月変動するのでしょうか?

勿論、使う量が異なるということは大きな要素です。
エアコンを多く使う夏場はとても高くなるというイメージではないでしょうか。
使用時間も長くなり、外気温と室内設定温度との差も大きくなりますので、負荷も大きくなります。
緩やかな運転時間より、電源を入れた直後のような激しい運転が長くなるためどうしても
消費電力量が増加し、結果電気料金も驚きの数値となってしまいます。

使用量も勿論ありますが、使用量が全く同じであっても変動する要素があります。
従量料金単価です。当ブログでは電力量料金としています。
使った量に応じて課金されるものです。

電力量料金が上がることで、
空調利用での電気料金アップだけでなく、
購入するものの原価アップの要因にもなり、更なる値上げにつながってしまいますね。

電力量料金は、契約している単価がまずありますが、これは滅多に変更されません。
契約内容によって異なりますが、少なくとも毎年変わるようなものではありません。

変動要素の1つ目としては、毎月月末に各電力会社から公表される
燃料費調整額」これによって、電気料金の変動がほぼ毎月あります。
電力会社によって異なるという特徴もあります。
これは発電を何で行っているかによって変わってきます。
中部電力はLNGが主で、沖縄電力は石炭が主という違いがあります。
「電力構成」というもデータで各社公表しています。

2つ目として、最近は、国からの「電気・ガス支援」というものがありました。
一度終わり、また再度実施されていましたが、3月使用分(4月検針・請求分)で終了となりました。
また、夏期の3カ月を対象に実施するようですが、詳細はまだ分かりません。

3つ目として、1年に一度変動するものです。1年間は固定単価です。
この4月使用分からは
再生可能エネルギー発電促進賦課金」(以下、再エネ賦課金)の変動があります。
これは、経済産業省が定めており、日本国内で共通となっています。
買取に掛かる費用を、国内の使用者が一律負担という考えですが、
1kWh当り、3.49円から3.98円と、0.49円上昇となりました。
向こう一年間この料金が適用となり、加算されます。

最後に4つ目として、
夏季料金設定があります。
7月~9月の3か月間とその他の期間で単価が異なることがあります。
これは、ご契約内容によって異なります。
(当ブログでは、夏季料金設定がある契約で推移を見ています。)

当ブログでは、これらを合わせて電力量料金として、その推移を定点観測として見ています。
同一の契約でどのように変動しているかです。
使用量は各々で異なりますが、この電力量単価は契約を変更しない限り変えることはできません。

毎月月末に電力各社から翌々月検針時(翌月使用分)の燃料費調整単価が発表されます。
前述の通り、ほぼ毎月変動しますので、定点観測でその推移をみています。

まず中部電力から見てみます。

2025年6月度 中部電力電力量料金推移

2024年以降、アップダウンが激しいですが、
電気・ガス支援が一番大きく影響しています。

2022年2月までは燃料費調整もマイナス(安くなる)でしたが、
それ以降円安の影響など色々な要因があり、約1年半くらい大きくプラスに転じています。
それ以降、比較的変動は少なくなっています。
ここ3カ月はプラスになっています。

結果、最近はすごい高いイメージだと思いますが、
2022年夏~23年3月頃にかけてよりは
まだ単価としては抑えられているのが分かります。

前年比では、高圧108.7%、低圧107.8%
低圧はご家庭や店舗などで利用されている契約です。
燃料費調整額と再エネ賦課金の上昇による差です。

前月比では、高圧98.9%、低圧99.1%
ほぼ前月とは大きな変動はありません。

2025年6月度沖縄電力電力量料金推移

他社同様、2024年以降は、支援の有無によって変動が大きくなっていました。

そして、沖縄電力の特徴的なのは、
2023年に料金改定以降
燃料費調整額がー10円程度になっていることです。
実は、他電力会社では、若干プラスになっています。
もっと高くなる予想をしていたということでしょうか。
2022年の状況を受け改定されましたので、それに比べたらまだという感じなのでしょうか?

前年比では、高圧104.3%、低圧109.2%
低圧は、個人宅や店舗、小規模事業所が利用している契約です。
沖縄では契約件数が多いかもと個人的には思っています。データは見ていません。

店舗などでは、エアコン稼働率も高いと思いますので、かなり厳しいですね。

ビルや商業施設などで利用される高圧業務用で、中部電力と比較をしていますが、
かなりその差がなくなってきました。
104.5%となっています。
前月よりその差は若干ではありますが狭まっています。

夏の猛暑対策は今から

契約の見直しはもう実施していると思います。
だとすると、ここはもう対策を取りようがありません。

現状では、今年の夏もまた暑くなることが予想されます。

少しくらい、省エネ・節電を行っても追いつきはしませんが、それでもやらないより良い
電力単価が上がっている分、対策にかかる費用の投資回収期間も縮まりますね。
同じ10%削減でも額にすると大きいということになります。

使用量の変動要素が大きいものは何でしょうか?

夏に対策をとると、引っ越しなどと同様、関係各所の繁忙期となり、対策費用も増加してしまう可能性があります。

まだ、やっていない対策はあるのではないでしょうか?
ご確認下さい。

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i-Mage.ブログ【Vol.0520】でした。

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