電気代に含まれる「未来への貯金」?再エネ賦課金とは
みなさんの事業所やご家庭に届く電気代の明細書を見ると、「再エネ発電促進賦課金」という項目があるのを知っていますか?
正式名称は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」で、短縮して「再エネ賦課金」と表現したりもします。
これは、太陽光や風力といった「地球にやさしいエネルギー(再生可能エネルギー)」を日本中で増やすために、電気を使う全員で少しずつ出し合っているお金のことです。
2026年度の料金はどうなる?
2026年3月19日、経済産業省から発表された最新の金額(単価)は以下の通りです。
- 2026年度の単価:4.18円 / kWh(キロワットアワー)(※2026年5月分の電気代から適用されます)
昨年度(2025年度)は 3.98円 だったので、1kWhあたり 0.20円の値上がり となりました。
この単価は、毎年変動しますが、1年間固定になります。
これまでの推移と「なぜ上がるの?」

グラフを見ると、2011年に制度が始まって(少し変更されています。)から、金額がどんどん右肩上がりに増えているのがわかりますね。
なぜ金額が増え続けているの?
主な理由は2つあります。
- 再エネの設備がすごく増えたから
日本中で太陽光パネルや風車が設置され、そこから作られる電気の量が増えました。その電気を買い取るための費用が必要になるため、みんなで負担する額も増えています。 - 「電気の仕入れ値」とのバランス
電力会社が、太陽光などの再エネで作られた電気を買い取る時、その代金の「すべて」を使用する私たちが負担しているわけではありません。
電力会社の「おトク」分(仕入れ値相当): もし再エネを買い取らなければ、電力会社は自分たちで火力発電所などを動かして電気を作らなければなりません。再エネを買い取ることで、その分の燃料代(ガスや石炭など)が「浮く」ことになります。この「浮いたお金(=電気の仕入れ値)」は、電力会社が自分で支払います。
私たちの「負担」分(再エネ賦課金): 再エネの買い取り価格は、地球にやさしいエネルギーを応援するために、ふつうの電気の仕入れ値よりも高く設定されています。
「買い取り価格」-「仕入れ値(浮いた燃料代)」=「再エネ賦課金」
この「差額」の部分を、使用する私たちが賦課金として出し合っていきましょうというものです。
グラフの「2023年度」だけガクンと下がっているのはなぜ?
グラフの中で2023年度だけ急に低くなっています。これは、ロシア・ウクライナ情勢などの影響で、世界的にエネルギー(天然ガスなど)の価格が一時的にものすごく高くなったためです。
「ふつうの電気」の価値が一時的に跳ね上がったので、再エネを助けるための補填(賦課金)が少なくて済んだ、という特殊な年でした。
私たちの暮らしへの影響は?
一般的な家庭(1ヶ月に260kWh使うモデル)の場合、毎月の負担額は以下のようになります。
| 年度 | 1ヶ月の負担額(目安) |
| 2025年度 | 1,034円 |
| 2026年度 | 1,086円(+52円アップ) |
年間で見ると、約13,000円ほどを「日本のエネルギーをクリーンにするため」に支払っていることになります。
これからの脱炭素社会に向けて
賦課金が上がるのは会社ではコストアップ、家計にとっても大変ですが、これは日本が石油や石炭に頼りすぎず、「自分たちの国で、二酸化炭素を出さずに電気を作る」ための大切なステップです。
専門家の視点で見ると、これからは「ただお金を払う」だけでなく、会社や家庭での省エネを工夫したり、昼間の太陽光が出ている時間に電気を上手に使ったりする「賢い電気の使い方」がより重要になってきます。
再エネ賦課金への「厳しい意見」とその理由
とは言え、以下の3つのポイントは大きな課題となっています。
1. 「家計の負担」が重すぎるのではないか?
グラフを見ると分かる通り、制度が始まった2011年頃はごくわずかな金額でした。しかし、2026年度には年間で約13,000円(標準的な家庭)にもなります。
- 否定的な意見: 「電気は生活に欠かせないものなのに、勝手に上乗せされるのは不公平だ」「所得が少ない家庭ほど、この負担が重くのしかかってしまう(逆進性といいます)」という声があります。
2. 「日本の産業」が弱くなってしまう心配
工場など、電気を大量に使う会社にとっては、この賦課金だけで数千万円、数億円という支払いになります。
- 否定的な意見: 「電気代が高すぎると、日本の工場が海外へ逃げてしまう」「製品の値段を上げざるを得なくなり、物価高に拍車をかける」という経済への悪影響を心配する意見です。
3. 「お金の行き先」は本当に正しいのか?
集められたお金は、太陽光パネルなどを持っている発電事業者に支払われます。
- 否定的な意見: 「山を削って太陽光パネルを並べるなど、環境を壊してまで再エネを作るのは本末転倒ではないか?」「海外の資本(外国の会社)が日本の山で発電して、日本の家庭から集めたお金が海外に流れているだけではないか?」という疑問を持つ人も多いです。
これからの議論のポイント
脱炭素(カーボンニュートラル)は、地球温暖化を止めるために世界中で進められている目標ですが、「理想」と「現実のコスト」のバランスをどう取るかが非常に難しい問題です。
今後のチェックポイント
- 賦課金の終了時期: この買い取り制度には期限があります。いつになったら負担が増え止まり、下がっていくのかが分かり難いのが現状です。
- より安い再エネの実現: 「高いお金を払って助ける」段階から、技術革新で「再エネそのものが一番安くて使いやすい」状態へ早く移行できるかどうかが鍵です。
- 他の選択肢との比較: 原発の再稼働や、新しい水素エネルギーなど、他の方法と比べてどちらが「安くて安全でクリーンか」という冷静な比較も欠かせません。
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i-Mage.ブログ【Vol.0539】でした。
