以前作成した特性要因図を更新しました。
作成した特性要因図のみ公開していましたが、要因として6項目ありますので、各要因毎にその解決方法をご紹介していきたいと思います。意外に簡単なことでも対応されていないことがあるかもしれません。
では、今回は
要因② 電力契約
全部で、7項目上げました。
契約に関することですので、見直しすることも可能なこと、自分達ではどうすることもできないことがあります。でも、仕組みだけでも理解しておきましょう。
では、順にみていきます。
順不同で、特性要因図に書いてある順とします。
1.太陽光発電が自家消費されていない
近年すっかり見慣れた光景になったソーラーパネルの設置
新築住宅や工場、空き地だったところに設置されています。
とは言えな、新築時設置なら問題もないとは思いますが、既存の建物への設置は、強度不足ということも考えられますので、慎重に行う必要があると思います。また、以前は殆ど売電でしたが、電力の固定価格買取制度(FIT制度)が見直しされ、買取価格も抑えられてきました。設置に関わる費用と発電量でのシミュレーションも重要です。定期メンテナンスや消耗品交換も無視できません。
電力の固定価格買取制度(FIT制度)の見直しにより、自家消費も進んでいますが、折角発電したものも自家消費されていないことが多いと思います。使用した電気料金をどれくらいカバーできているでしょうか。
片や上昇を続けていますので、当初見込んだ分の相殺ができていない可能性もあります。
また、買取期間は10kW未満の住宅用太陽光発電で10年です。
10年経過後は、再契約など選択肢はありますが、買取価格は下がる筈です。
他の契約先を見つける方法や撤去もありますが、自家消費化するという手もありますね。
10kW以上の産業用太陽光発電の買取期間は20年間です。
(結論:解決方法)
新規設置や買取期間終了後の活用方法としては、自家消費化が進むのではないでしょうか。
ただ、メンテナンス費用や場合によっていは交換費用なども考慮しておかなければなりませんね。
電気料金としては下げることは可能ですが、費用は掛かります。とは言え、企業の場合は減価償却費増加ですからメリットはあります。
屋根に設置してあることで、遮熱効果もあるというメリットがありますが、万一火災が発生したときに、放水が困難になる可能性があるというようなデメリットもあることは事実かと思います。
2.契約メニューの見直しがされていない
簡単に対応できることではありますが、意外に実施されていないので、契約メニューの確認と見直しです。
当初考えていた使用方法・使用量と、何年か経過したあとで同じでしょうか。
ご家庭の場合、例えば、次のようなケースはありませんか?
夫婦2人で共働きから、子供が誕生し、昼間に在宅する時間が増えた
テレワーク推進が進み、在宅勤務が増えた
これらの場合、昼間は殆ど待機電力のみだったものが、昼間がかなりの使用量になります。
このように生活環境の変化、企業では生産活動の変化などあると思います。
(結論:解決方法)
多くの契約では、7月~9月に夏季料金設定が行われ、実際使用量が増加する時期です。
その前の4月5月がエアコンも試運転を行うタイミングとなっていますので、同じタイミングで電気料金の請求書などで契約内容を確認し、現状の使用状況から契約メニューの見直しが必要か確認してみませんか。
今ならネットでシミュレーションも行えるところも増えてきました。
面倒くさいですが、年に一度だけでもどうでしょうか
3.デマンドが監視されていない
契約電力が50kW未満(目安)のご家庭や小規模な店舗、事務所向けの低圧契約の場合は、このデマンドは意識する必要がありません。
一方、契約電力が50kwを超える事業所の場合、高圧契約・特別高圧契約となり、このデマンドが大きく影響してきます。
デマンド値(30分デマンド値)とは、30分間の電気の使用量からもとめた平均使用電力が30分デマンド値です。 そして、1ヵ月の中で最大の30分デマンド値がその月の最大需要電力(デマンド値)になります。1年間で最大となったものが、その事業所用の契約量となり基本料金設定の基準となります。
要するに、あなたの事業所はこれだけ使う可能性があるためそれを確保しておきますね。ということです。
これが、たまたま8月のある日のある時間帯だけ突出した値になると、過剰なものを確保され料金を支払うことになります。
デマンド値につきましは、コチラもご参照ください。
冷媒リアクターパイプ「Top-Eco」 Q&A 【デマンド値】
電気料金には、ここで決まってくる基本料金と使った量に応じてかかってくる使用料金(電力量料金)があります。
電気料金=基本料金+電力量料金
低圧契約の場合は、この基本料金は設置してある機器の合計となりますが、同時に全てのものを使う訳ではないと思いますので、そこを考慮し、基本料金を抑制することが大変重要になります。ただ、不足すると…
(結論:解決方法)
デマンド監視装置を取り付け、デマンド監視を行う。
ただ、デマンドを下げるために、猛暑の中、エアコンを停止させるというところもありましたが、健康管理と併せて対応する必要がありますね。
4.前年と使用期間と計測日(請求)のズレ
通常の請求書であれば、月末締めなど締め日が決まっており、その1か月分が請求されてくるため、前月比や前年比が見やすくなっています。
ところが、電気料金の場合、前月の検針日から今月の検針日の前日までを1か月となって請求が来ます。
スマートメーター化が進んでいますが、それでも毎月同じ日になっていないため、数日の誤差が出ることがあります。
そのため、請求明細で、単純に前月比や前月比をすると正確でないことがあります。
(結論:解決方法)
電力会社からの請求書で確認すると正確な月毎となりません。
監視システムなどを活用して比較することで対応が可能です。
請求書での確認では、通常事業所など全体の使用量・使用料金しか確認することができません。
どの機器の使用量・使用料金が多い、どのように使われているかについては個々の機器毎にデータ計測してみて行く必要があります。
100Vであればコンセントに差し込んで、スマートフォンなどのアプリで見ることができるものもあります。
「ワットチェッカー」などで検索して探すことができます。
200Vの場合、コンセントでとはいきませんが、今は色々用意されています。
5.契約先の見直しがされていない
電力小売が自由化され、誰でも電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。
電力会社も地域ごとの管轄以外や新電力会社も数多く参入し、現状でも100社以上があります。
エネルギーの地産地消を行うモデルの1つである、地域新電力は、数、供給量ともに増加しています。
携帯電話の契約以上に多様化してきており、電気とガスやガソリンと合わせた契約など、複雑になってきましたが、色々と比較検討してみる価値はあると思います。
(結論:解決方法)
管轄の電力会社から変えないのが一番安心ですが、広く情報収集して比較検討してみても良いと思います。
管轄外の大手電力会社との契約も可能となっています。
6.電力量料金の上昇
電力量料金とは、電気使用量に直接関係してくる料金のことです。
次の計算で算出されます。(ここでは、再生可能エネルギー発電促進賦課金も含めます)
電力量料金単価×1か月の使用電力量±燃料費調整単価×1カ月の使用電力量+再生可能エネルギー発電促進賦課金×1カ月の使用電力量=(電力量料金単価+燃料費調整単価+再生可能エネルギー発電促進賦課金)×1カ月の使用電力量
「電力量料金単価」は、電力会社が定める単価です。
「燃料費調整単価」は、燃料価格の変動(平均燃料価格)により、毎月自動的に決まる単価で、毎月変動します。
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、再エネで発電された電気を決まった期間・決まった価格で買い取ることを電力会社に義務付け、買い取りにかかった費用を使用者が負担するもので、1年毎に見直しされます。
(結論:解決方法)
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、経済産業大臣が再生可能エネルギーの導入を予測し、毎年度決定するため、電力会社から購入する限り変更することはできません。
言い方は悪いですが、新年度から変わってきます。これからインボイス制度の影響も出てくる可能性もあり、かなり負担が増すことも考えられます。
燃料費調整単価は、電力会社毎に変わってきます。
例えば、中部電力はLNG(液化天然ガス)の割合が多く、沖縄電力は石炭の割合が多くなります。同じ火力発電であっても、この燃料価格の変動によって、毎月変わってきます。
そのため、電力会社により推移は変わります。
当社ブログでは、毎月月末に電力会社から発表されるタイミングで定点観測として毎月推移を見ています。
7.単相100Vで利用
10畳程度までのスペースで利用する場合、家庭用のルームエアコンは100Vタイプになります。
それ以上のスペース用で200Vが出てきます。
実は、家庭用の小さい容量のモデルと業務用の大きい容量のモデルでは、省エネ性能としては、小さい容量の方が省エネ性能が良いものが多くなっています。また、配管長も短い利用になるため、設置も比較的簡単で、安価となっています。
そのため、後から増設していくことも簡単なため、台数が増して対応していくことも考えられます。
同じスペースを両方のモデルがある場合、200Vの方が、パワーがあるため効率的に冷やしたり、温めることができます。
(結論:解決方法)
台数が少ない場合は、電力会社との契約も関係してくることがあります。
200Vにすることで低圧契約の基本料金が上がるなどが考えられます。
200Vモデルの方が効率的に効くなどメリットもあるかもしれませんが、機器代は高額になるなど一概に良いとは言い切れません。
12畳、14畳くらいのスペースが、両方のモデルが揃って迷うかもしれませんが、多分販売店に確認すると200Vを勧められると思います。
業務用エアコン、冷凍機の省エネのことなら
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i-Mage.ブログ【Vol.0498】でした。