特性要因図の各要因毎に見ています。
①使用方法
②電力契約
③室内機
④室内環境
ときました。
今回は
要因⑤ メンテナンス
全部で、8項目上げました。
折角、高効率機器の導入(入れ替え)を行ったり、省エネ・節電のための手段を実施しても、メンテナンスできていない機器では効率の良い運転は継続できません。
定期点検・メンテナンスは非常に重要です。
では、順にみていきます。
順不同で、特性要因図に書いてある順とします。
1.フィルターが詰まっている
要因③「室内機」の「1.機器の掃除が実施されていない」でご説明させていただきましたのでご参照ください。
フィルターが詰まっているだけで、消費電力が増加もしくは効きが悪くなってしまいます。
なんと、消費電力が5~10%も変わってくることがあります。
(結論:解決方法)
掃除は皆がやるべきことですが、誰かがやると思うとなかなかやらないのでフィルター掃除です。
機器の担当者を決めることが、はじめの一歩だと思います。
フィルターの汚れは外から見えないのが難点です。
フィルター詰まりのサインが出る機種もありますが、その前に実施しておきたいものです。
また、エアコン AT254フィルタチラシ (空気の王様 エアコンフィルター)を用いることで、汚れが一目瞭然となり、汚れ防止などの効果も大きくなります。
繰り返しになりますが、要因③「室内機」で詳しく説明していますので、ご参照ください。
2.熱交換器汚損 水が漏れる
要因③「室内機」の「1.機器の掃除が実施されていない」でご説明させていただきましたのでご参照ください。
熱交換器やファンの汚損があることで、熱交換効率が低下する可能性があります。
実際、分解クリーニング実施後に、吹き出し温度が改善(熱交換効率が良くなる)や消費電力が減少した効果検証も行っています。
ただ、この洗浄は、専門事業者に依頼し実施してもらう必要があります。
数年に一度のサイクルで良いのですが、飲食店や埃が多い場所に設定してある機器の場合、1年毎に必要となる場合もあります。
水が漏れるのは、色々な要因が考えられますが、室内機内部に埃等が詰まり自然排水する筈の結露水が排水できず洩れてくることが多いと思います。
家庭用ルームエアコンの水漏れにつきましては、コチラ☟の投稿をご参照下さい。
エアコンから水が漏れてきた!その原因は何か?解決方法は?
(結論:解決方法)
定期点検を毎年実施することが、はじめの一歩です。
ご家庭の場合は、フィルターを外した状態で熱交換器を見てみる、ルーバーの隙間から懐中電灯などを明るくして見ると、汚れが見えると思います。
汚れが激しい場合にはクリーニングをご検討下さい。
ただ、その前に、少し暑い日に、窓を極力広く開け、冷房設定で一番温度を低くし運転するか、試運転モードで運転して見てください。結露が発生し少しは流してくれることも期待できます。
冷房運転期間が終了する時点で、室内機を乾燥させる運転(暖房運転など)を数時間行い室内機内部を乾燥させておくと、カビの抑制になります。
3.冷暖房効きが悪く運転時間が長い
効きが悪い原因を探る必要がありますが、効きが悪くなることで設定温度に到達しない、もしくは到達するまで運転時間が長くなることが考えられます。結果、消費電力が増加、電気料金が高くなるということ。
夏場、エアコンの設定温度をいくら下げても部屋の温度が下がらない場合は、
・冷房運転となっていることの確認
・フィルターの汚れ確認
・吹き出し口から出てくる温度の確認(まずは手を当てて)
は最低限行ってみてください。
機器の不具合や機器の能力不足、使用環境の問題など色々と考えられます。
当ブログをはじめこの特性要因図は電気料金に焦点を合わせていますが、要因②契約内容以外は、電気料金が高くなる=効きが悪くなるということになり、改善するためには、いずれかが該当するのではないかと思います。
(結論:解決方法)
効きが本当に悪いのかどうかは、吹き出し温度を調査することなどで分かります。
冷房運転で、吹き出し口から冷たい空気が出ていない場合は、メンテナンス事業者などに点検依頼をしてください。
不具合が無い場合は、特性要因図の要因②を除く、①~⑥の項目を参照の上、ご確認下さい。
4.機器の耐用年数が大きく過ぎている
業務用エアコンの耐用年数は、法定耐用年数としては、備品としてのエアコンなら6年、大きな設備としてエアコンなら13年または15年となっています。備品と設備のどちらかの判断は、ダクトの有無です。
実際には使用状況などによって前後しますが、13年~15年程度は使用できるということになります。
ただ、フィルターなど消耗品的に一定期間で交換が必要なもの、圧縮機(コンプレッサー)など一定の運転時間で交換が必要なものがあります。
圧縮機は、総稼働時間約20,000時間が保全計画の目安などメーカーからその目安が出ています。
業務用エアコンの場合、機器更新も簡単ではありませんので、長く使われることが多く、20年以上使用していることも珍しくありません。
家庭用ルームエアコンの場合、計上の標準使用期間の10年が目安となっています。エアコンメーカーの部品在庫がそれを過ぎると無くなる可能性もあります。
高効率機器への入れ替えを行うことで、ある程度の省エネを実現し消費電力を削減することは可能だと思います。
が、今まで使っていた機器の廃棄や新たな機器の製造が必要だという観点や、削減した電気料金と入替えに要した費用を比較した投資回収期間という観点からすると、今あるものを最期まで効率よく使い切ることの重要性が分かると思います。
(結論:解決方法)
何と言っても、定期点検・メンテナンスの実施が大切になってきます。
故障を防いだり、故障が発生してしまっても最小限で抑えることができ、経年劣化による熱交換効率の低下も抑制することが可能です。
自動車も定期点検・メンテナンスをしっかりすることで、10年以上や走行距離100,000㎞以上でも問題なく運転することが可能です。この重要性がお分かりいただけると思います。
修理や部品交換の頻度が増し、ランニングコストが増加したり、部品調達ができなくなる時点では更新タイミングとなるかと思います。
5.定期点検が実施されていない
ご家庭に於いては、定期点検は法的に必要ありませんが、最低限、冷房運転前に試運転を行い、機器の状況を確認が望ましいと思います。
業務用エアコン於いては、冷媒でフロン類が使われている機器を使っている場合、フロン排出抑制法により定期点検が必要になります。管理者においては、定期的な点検・記録・報告の3つが義務付けられています。
圧縮機定格出力が7.5kw未満の機器を保有している場合、3カ月に1回、管理者(利用者)が自ら簡易検査が必要となっています。
圧縮機定格出力が7.5kw以上の機器を保有している場合、簡易検査+1年または3年に1回、専門業者に委託し定期点検が必要となっています。
(圧縮機定格出力は、仕様書若しくは室外機の銘板に記載されています。)
いずれにしても、3カ月に1回は点検が必要です。
(結論:解決方法)
家庭用ルームエアコンは、冷房運転が本格的稼働となる前に、試運転を実施
コチラ☟を参照下さい。
夏本番前にエアコン試運転をしましょう!
業務用エアコンは、3カ月に1回、簡易点検を実施
<<簡易検査の点検項目>>
【室外機の点検】
・機器の異常振動・異常運転音
・機器及び機器周辺の油にじみ
・機器のキズ・熱交換器の腐食・錆など
【室内機の点検】
・熱交換機の霜付き
室内機の熱交換機の霜付きは、冷媒不足などで発生しますので、効きが悪くなります。また、不足しているということはフロンなど冷媒が漏れているということですので、環境面でも問題です。通常の設置・使用において冷媒ガスが漏れるということはありませんが、取り付け時の不良や台風・地震などの自然災害で、室外機が転倒・移動してしまったりすると発生する可能性があります。
6.古い機器で冷媒が劣化
エアコンは、不活性ガス(化学的に安定で,他の元素あるいは化合物と容易に反応しないガス))と言われる冷媒ガスが使用されています。
室外機と室内機をつなぐ配管の中には、冷媒ガスと冷凍機油が入っており、経年劣化はどうしても避けて通れません。
冷媒の寿命は、5~6年と言われたり、7~8年と言われたりしていますが、耐用年数同様、当然運転状況によって変わってきます。
冷媒劣化は眼に見えないのが難点です。
例えば、冷媒配管が化粧ケースなどでカバーされずに露出している場合、紫外線などの影響で断熱材が破れている場合があります。その場合、そこから熱ロスが発生している場合もあり得ます。
R22を使用している機器を今も使用しているところがありますが、既に製造は終了していますので、在庫分での対応になっているということです。洩れないように点検・事前メンテナンス必須ですね。
冷媒ガスは、メーカーが指定するものを使用が前提となっており、一時期自然冷媒ガスの入れ替えを提案するところも出ていましたが、色々な不具合が発生する可能性もあり、また安全性といった面でどうでしょうか?
(結論:解決方法)
メーカー指定された冷媒ガスに入れ替えるという手があります。ただ、どうしても劣化はしていく
当社では、冷媒リアクターパイプ「TOP-Eco」をご提案しています。
既設業務用エアコンの配管に追加するだけで、省エネを実現します。
取り付けラクラク、メンテナンスなし、ランニングコストなし
フロン系冷凍サイクル内の冷媒の機能回復及び液化促進効率を改善させる配管材です。
7.エアコン能力が不足している
家庭用エアコンを購入する際には、まず畳数を見てある程度選択肢を絞ると思います。
ただ、日射遮熱や断熱・気密性や、外壁の色などによっても色々変わってきてしまいます。
冷暖房で効率が異なることから、どちらを重視するかも大切です。
不足というより、ついオーバースペックになる場合があるようです。
そして、能力とは違いますが、お掃除機能必要でしょうか?
業務用エアコンの場合設備設計が行われ、通常は100で良いところを120くらいのものを設置していくと思います。
ただ、将来予測は難しく、工場などではライン切替や生産品の変動や量の変動など、事務所などでは人員配置や機器の増加など様々な要因で、エアコンは正常に稼働しているのに、暑くなったと感じる場合があります。
また、真夏の40℃が当たり前に聞こえてくるとはなかなか想定していません。
まさに、ここ数年は異常気象という文字が飛び交っています。
気象データの40℃は、実際に室外機が置いてある箇所で測定するとプラス10℃も珍しくなく、室外機の運転許容範囲を超えている可能性もあります。直射日光・反射光による輻射熱は大変なものです。
(結論:解決方法)
まずは、点検を実施し、正常に稼働しているかどうかを確認します。
真夏の対応であれば、室外機への対応、例えば日陰にする・遮熱する・対応機器に更新するなどが考えられます。
通常稼働で能力不足が確認された場合は、省エネ機器により熱交換効率を上げる、機器追加・機器更新が考えられますが、建物の遮熱・断熱化や、熱源があればその断熱、スポットクーラーや大型ファンの導入などによる対応なども考えられると思います。
スポットクーラーは、排熱の問題がありましたが、水冷式など排熱が発生しないものと出ています。
機器更新は最後の手段とし、特性要因図の各要因の解決策をご参照いただき、その中から対応可能なものがあるかもしれませんので、お試しください。
8.真夏冷たい風が出てこない
まずは、機器の故障を疑いたくなるかもしれませんが、色々なことが考えられます。
上記、「7.エアコン能力が不足している」の通り、能力不足の場合、室外機の置いてある環境が悪い場合、また冷媒が漏れて不足してしまっている場合などもあります。いずれにしても、自分達で対処は難しいかもしれません。
意外に、設定が冷房になっていない、設定温度が高くなっているということも…
(結論:解決方法)
まずは、簡易点検、そしてメンテナンス事業者さんに点検依頼し、不具合箇所がないかどうかを確認です。
ただ、メンテナンス事業者さんは、機器や冷媒不足の確認になりますので、能力不足や室内機置き場の環境、室内環境などの提案は出てこないかもしれませんが。
業務用エアコン、冷凍機の省エネのことなら
当社株式会社i-Mage.まで、お気軽にお問い合わせください
i-Mage.ブログ【Vol.0501】でした。