要因⑥「室外機」の解決方法|特性要因図 冷暖房(空調機)の電気料金が高い エアコンは室外機が心臓部 意外と見逃している対策があるかもしれません

特性要因図の各要因毎に見ています。

①使用方法
②電力契約
③室内機
④室内環境
⑥メンテナンス
ときました。

最後となりました。

要因⑥ 室外機 

特性要因図 ⑥室外機

全部で、8項目上げました。
タイトルにも書きましたが、室外機はエアコンの心臓部です。
普段の活動の中で目にするのは、室内機ですので、これが重要だと思ってしまいますね。
室内機自体の消費電力は微々たるものですが、リモコン操作の待機状態になっており常に通電していること、お掃除機能部分は別に消費電力が掛かるということになります。

では、本題に入ります。
順にみていきます。
順不同で、特性要因図に書いてある順とします。

1.圧縮機運転時間が長く劣化(交換期間)

要因⑤メンテナンスの「4.機器の耐用年数が大きく過ぎている」でもご説明させていただきましたのでご参照ください。

エアコンを稼働していると、室外機の圧縮機(コンプレッサー)が動きます。
歩いている時と走っている時で、心臓のドキドキ具合が変わるのと同様、負荷が軽い状態と負荷が掛かった状態では圧縮機にかかる負担も変わってきます。

圧縮機の総稼働時間約20,000時間が保全計画の目安とされています。
詳しくはメーカーにご確認下さい。
一年中、8時間稼働させた場合、約7年という計算になります。
仮に、365日24時間稼働だと、約2年3カ月ということになります。

ただ、実際には常に動いている訳ではありませんので、もう少し長くなる筈ですが

浜松市内に本社を置く某スーパーマーケットでは、各機器の稼働時間を管理、目安時間より早めに交換しているということでした。

(結論:解決方法)
事後保全となると、部品などの手配の関係もある、復旧に相当期間かかることもあります。
真夏にとなると、もう大変なことです。

稼働時間を管理するとなるとなかなか大変ですが、やはり定期的な点検で少しでも異常を感じたら早めに手配をということだと思います。

予防保全としては、運転時間の短縮や運転負荷を少しでも軽くしてやるということ対策があります。
これは、設定温度しかり、フィルター掃除しかり、部屋の遮熱・断熱・気密性しかり、様々な対策があります。
要因①~要因⑥までの中の解決策を実施することで、圧縮機の負荷を軽減していくことも可能だと思います。

2.ファンの風が戻ってきて放熱されていない

エアコンは、室内と屋外の熱を交換する機器となっています。
夏場であれば、室内の温かい空気を室内機で吸い込み、室外機で吹き出します。
室外機吹き出し冷房運転しているときに、室外機の前を通ると熱風が出ていると思いますが、サーモグラフィカメラでも確認できます。

ファンによって吹き出ししていますが、その吹き出し口近くに草木が茂っていたり、荷物が置かれていたり、壁が近くにあったりすると、その温かい空気を再度室外機が吸い込んでしまいます。ファンに草木が刺さっているというケースもありますが、故障の原因ですね。
また、室外機のすぐ上に調理場などの換気扇があり、室内から猛烈に熱い空気が出てくる。

これらが実は、決して少ないケースではありません。

ショートサーキットは、自らの吹き出した風をそのまま吸い込む状態で、夏であれば、熱い風をそのまま吸い込んでしまい、冷房の効きが悪化、最悪運転停止します。複数台がまとまって設置しているケースでは、他の機器から吹出した風に影響されるケースがあります。

コチラ☟の記事をご参照ください。
エアコン室外機の置き場ってとても重要ですが、お手入れしていますか?

最近は、室外機に日除けカバーをつけているのを見かけることが多くなりましたが、ファンの前にずれて吹き出しの邪魔をしているのをよく見ます。折角、少しでも電気料金をと考えて対策したものが、逆に悪影響を与えているということになっています。

室外機は、普段あまり見ない箇所に設置してあると思いますが、時々はチェックしてください。

(結論:解決方法)
室外機の周りには、物を置かない、草木が茂ってきたら取り除く。
3カ月に一回の簡易点検を実施することで確認できますので、確実にスペース確保するようにしてください。

設置時には、機器仕様に則り、一定のスペースを確保する筈ですが、その後に柵を作ったりすることがありますが要注意です。

 

3.スペースが確保されていない 熱ごもり

敷地と建物の関係で、建物に入り込んで設置しているのを見かけることがあります。
また、室内機が向き合った状態の場合も注意が必要です。

(結論:解決方法)
上記、「2.ファンの風が戻ってきて放熱されていない」と同じになります。

 

4.配管距離が長い 室内機まで距離がある

ビルや工場などでは、室外機置場の関係もあり、室外機から室外機までの配管はどうしても距離が長くなってしまいます。
そのため圧縮機にかかる負担も増え、また冷媒量も多くなることで冷媒経年劣化の影響が大きくなります。

ご家庭では、通常数メートル程度の標準配管で対応されるものが多く、あまり影響はないと思われます。

(結論:解決方法)
基本的には、点検・メンテナンスの徹底ということになりますが、

当社では、冷媒リアクターパイプ「TOP-Eco」をご提案しています。
既設業務用エアコンの配管に追加するだけで、省エネを実現します。
取り付けラクラク、メンテナンスなし、ランニングコストなし
フロン系冷凍サイクル内の冷媒の機能回復及び液化促進効率を改善させる配管材です。

 

5.直射日光が長時間当たる

室外機を屋根上に設置したり、建物の西面に設置している場合、強烈な直射日光が長時間当たります。
6月くらいから10月くらいまでの冷房運転期間中に影響してきます。
特に西日対策が重要ではないかと思っています。
通常、最高気温は正午ごろに記録することが多いのですが、室温は14時~16時位に記録することが多いと思います。角度のある日光が強く長時間当たり室内が暑くなってしまいます。

要因⑤メンテナンス「7.エアコン能力が不足している」でご説明していますのでご参照ください。
近年、仕様の許容範囲を超えた温度になることが多く、その場合は正常な運転(冷えない)という状況になってしまいます。

また、冷えたとしても、熱い空気が集まった熱ごもりの空気を吸い込むのと同じ状況になりますので、熱交換効率は悪く、設定温度に達するために負荷が高い運転が長く続くことになってしまいます。

全国各地の色々なところの室外機を見させていただいておりますが、何故か分かりませんが、関西電力管内の工場や店舗などの室外機置場はしっかり日除け対策が多いという印象です。

室外機日除け

(結論:解決方法)
直射日光を防ぐ、反射光を防ぐ、遮熱をするのが望ましいと思います。
日除け対策の場合気をつけたいのは、吹き出した熱がまた吸い込まないようにすること、風通しを良くすることです。

家庭用ルームエアコンでは、ホームセンターのなどでもよく見かけるようになりましたが、日除けカバーをつけるという方法もあります。検証していませんので効果はどうか分かりません。スペースさえ許せば、葦簀(よしず)などで日陰にする方が効果がありそうです。

当社では、業務用エアコンに対しては、室外機外装表面や室外機周辺床面、冷媒配管に遮熱断熱塗装を行い、室外機の熱交換器(フィン)空気出入口に省エネカバーを施工し、室外機内部の温度を抑制します。夏の冷房だけでなく、冬の暖房でも効果があります。

要因④室内環境「1.室外温度と温度差が大きい」でご紹介していますが、修理費用と電気料金を天秤にかけて、故障リスク及び水道日増加を覚悟の上で散水し室外機及び室外機を冷やす対策を取っているところもありました。(推奨しません)

 

6.反射熱が当たる

上の「5.直射日光が長時間当たる」と同様ですが、屋根やアスファルト、また壁からの反射熱も当然に影響します。

(結論:解決方法)
「5.直射日光が長時間当たる」と同様ですが、日除けだけでは、反射熱を防げない場合があります。

7.周辺温度が高くなる

上でご説明しました。室外機周辺温度が高くなる原因としては、
2.ファンの風が戻ってきて放熱されていない
3.スペースが確保されていない 熱ごもり
5.直射日光が長時間当たる
6.反射熱が当たる
のいずれかが関係してくると思います。

(結論:解決方法)
2.ファンの風が戻ってきて放熱されていない
3.スペースが確保されていない 熱ごもり
5.直射日光が長時間当たる
6.反射熱が当たる
の解決方法をご参照ください。

 

8.汚損がある

基本的に室外機は屋外の風雨に当たることが前提で設計されています。

室内機のように、汚損が熱交換効率低下につながる影響は少ないと思いますが、ファンの汚損や熱交換器(フィン)の汚損は影響が少なからずある筈です。

(結論:解決方法)
まずは、簡易点検でチェックし、目に見える埃やゴミなどが付着している場合は取り除く。
ファンの汚損は修理依頼し修理する。
熱交換器(フィン)の多少の汚損は、定期点検時に確認してもらう程度で良いかなと思います。

業務用エアコン、冷凍機の省エネのことなら
当社株式会社i-Mage.まで、お気軽にお問い合わせください

i-Mage.ブログ【Vol.0502】でした。

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